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2026.01.21

不動産売買

『不動産管理会社の報告書を“読まない”ことで起きるリスク』

<企業不動産戦略(CRE戦略)特集>5
こちらは、自社所有の不動産(事務所・倉庫・工場など)を担当する「企業総務責任者」におすすめの記事です。

『不動産管理会社の報告書を“読まない”ことで起きるリスク』

― 知らなかったでは済まされない「所有者責任」の現実 ―

不動産を所有している企業やオーナーの多くは、「管理は管理会社に任せているから大丈夫」そう考えているのではないでしょうか。

毎月、あるいは定期的に届く管理会社からの報告書。
修繕履歴、点検結果、指摘事項、写真付きの資料……。

しかし現実には、「中身をほとんど確認せず、決裁だけしている」そのような企業が非常に多いのが実情です。

そこで、不動産管理会社の報告書をちゃんと確認しないことで起きるリスクについて解説します。

目次

1.なぜ報告書を理解する必要があるのか

2.読まないことでどんなリスクが生じるのか

3.企業としてどのように対応すべきか

4.まとめ

柴総合計画では初回無料相談を行っています

 


1.なぜ、報告書の内容を理解する必要があるのか

①「管理会社が見ているから大丈夫」という誤解

不動産管理会社は、確かに建物管理のプロです。
点検・清掃・修繕の手配など、日常管理を担ってくれます。

しかし、最終的な責任者は誰なのかという点が、見落とされがちです。
それは、建物の『所有者』です。

管理会社はあくまで「受託者」であり、法的・社会的責任を負うのは所有者である企業や個人です。

②中小企業の多くは、管理業務報告書を詳しく見ずに決裁している

実際の現場では、
・分厚い報告書は見ない
・写真も詳しく確認しない
・「問題なし」の一文だけを見て押印
というケースが少なくありません。

特に、
・建築や設備の知識がない
・内容が専門的で分からない
・ほかの業務が忙しい

こうした理由から、「読むこと自体を諦めている」企業も多いのです。
しかし、その「読まない」という選択が、大きなリスクを生みます。

2.読まないことでどんなリスクが生じるのか

事故が起きたときの現実 ― 管理会社ではなく「所有者責任」となります。
具体的に起こりうる事例をいくつか挙げてみましょう。

リスク事例①外壁劣化を放置したことによる第三者被害

定期点検報告書において、外壁タイルの浮きや劣化が確認され、早期補修が望ましいとの指摘がなされていました。
しかし、緊急性は低いとの判断から対応を先送りした結果、タイルの一部が剥落し、歩行者が負傷する事故が発生しました。
外壁事故は第三者被害に直結しやすく、管理責任や賠償問題に発展する恐れがあるため、特に慎重な対応が求められます。

リスク事例②設備老朽化による漏水事故とテナントトラブル

給水配管の老朽化について、管理会社から更新時期超過との報告がありましたが、修繕費用を理由に見送られていました。
その後、配管破損により大量の漏水が発生し、下階テナントの内装や設備に被害が及ぶ事態となりました。
結果として、修繕費に加え営業補償や信頼低下といった二次的損失を招き、初期対応を怠った影響の大きさが顕在化しました。

リスク事例③エレベーター更新先送りによる利用者事故

エレベーター保守点検において、制御部品の劣化が進行しており、計画的な更新が必要であるとの指摘がありました。
しかし、稼働中であることを理由に対応を延期した結果、運転中に停止し、利用者が長時間閉じ込められる事故が発生しました。
人的被害が軽微であっても、建物全体の安全性やオーナーの管理姿勢が問われる重大な問題となります。

ポイント:管理会社は“助言者”、最終判断者は“所有者”

重要なのは、管理会社は「指摘・報告」はするが、「最終判断」はしないという点です。
管理会社には決定権がありませんし、当然ながら是正を発注することも出来ないのです。

・修繕するか
・いつ実施するか
・どこまで対応するか
これらを決めるのは、常に“所有者”です。

つまり、『報告書を読まない=判断を放棄している状態』とも言えます。

3.企業としてどのように対応すべきか ― 「任せきり」から「主体的管理」へ

① 指摘事項の「優先度ランク付け」を依頼する

すべてをすぐに直す必要はありません。

重要なのは、
・命に関わるもの
・法令違反につながるもの
・将来的に大きな修繕になるもの
これらの優先順位を把握することです。

報告書の内容を、「緊急」「要対応」「経過観察」などに整理するだけでも、管理の見え方は大きく変わります。

② 報告書レビューの第三者確認を入れる

「専門的で分からない」
「読む時間がない」

こうした場合、有効なのが「第三者による報告書レビュー代行」です。
・指摘事項の意味
・放置した場合のリスク
・今すぐ対応すべきかどうか
を、所有者目線で整理してもらうことで、意思決定の質が大きく向上します。

③ 「所有者側の視点」で管理する専門家(PM会社)に依頼をする

ビル・マンション管理会社は、日常管理のプロです。
一方で、所有者側の立場で判断・助言をしてくれる存在として、PM(プロパティマネジメント)会社を入れる選択肢もあります。

・管理会社の報告内容をチェック
・修繕の必要性を精査
・コストとリスクのバランスを検討

「管理会社に任せきり」ではなく、こちら側の視点で管理を整理してくれる存在を持つことは、長期的に見て大きなリスク回避につながります。

 

4.まとめ

不動産管理会社の報告書は、単なる「報告」ではなく、所有者への「重要な通知」です。

読まなかったことで、
・事故が起きる
・責任を問われる
・企業の信用が損なわれる
こうした事態は、決して珍しくありません。

「管理会社に任せているから大丈夫」ではなく、「理解したうえで任せている」状態をつくること。
それこそが、不動産を所有する企業に求められる、本当のリスク管理と言えるでしょう。

 

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