事例/お役立ち情報 Infomation

2026.01.07

不動産売買

『知らぬ間に自社所有不動産の“用途違反”している企業が多い理由』

<企業不動産戦略(CRE戦略)特集>3
こちらは、自社所有の不動産(事務所・倉庫・工場など)を担当する「企業総務責任者」におすすめの記事です。

『知らぬ間に自社所有不動産の“用途違反”している企業が多い理由』

― 賃貸借契約の落とし穴 ―

企業が自社で不動産を所有し、テナントに貸し出すことは珍しいことではありません。
しかし近年、「まさか自分の会社が……」という形で用途違反が発覚するケースが増えています。しかもその多くが、悪意のない“知らぬ間の違反”なのです。

用途違反は、単なる契約トラブルにとどまらず、建築基準法違反や損害賠償、最悪の場合は事業継続にまで影響を及ぼす重大な問題に発展する可能性があります。

そこで、用途違反が生まれる理由とそれらへの対応について、実務目線で整理していきます。

目次

1.なぜ用途違反が起きやすいのか

2.どのようなリスクがあるのか

3.用途違反に気づいたとき、企業が取るべき対応

4.こうならないために企業ができること

5.まとめ

柴総合計画では初回無料相談を行っています

 


1.なぜ用途違反が起きやすいのか


用途変更は、意外なほど安易に考えられている、というのが大きな理由のひとつになります。

①どこからが用途変更なのか分からない

用途変更という言葉を聞くと、「飲食店を工場にする」「事務所を住宅にする」といった大きな変更を想像しがちです。
しかし実際には、もっと身近で小さな変更でも用途変更に該当するケースがあります。

例えば、このようなケースが挙げられます。
・住居として貸したはずの区画で、来店型のサービスを始めている
・事務所契約なのに、店舗営業を行っている
・倉庫として契約しているが、人が常駐して業務をしている

こうした変更は、建築基準法上の「用途」や、賃貸借契約上の「用途制限」に抵触する可能性があります。
しかし、専門知識がなければ「これが用途変更に当たるのかどうか」は、非常に判別しにくいのが実情です。

②テナントが“勝手に”用途を変えている

もうひとつ多いのが「テナント側が事前の相談なく、無意識に用途を変えてしまっている」ケースです。
・当初想定していなかった業態を始める
・来客数が増え、実質的に店舗化している
・危険物や重量物を扱うようになる

といったことは、テナント側では「業務の延長」のつもりでも、オーナー側から見ると明確な用途逸脱である場合があります。

③ビルオーナーが気づかずに「用途違反のまま契約」

さらに問題なのは、オーナー自身が用途違反だと気づかないまま契約・賃貸しているケースです。
・そもそも建物の用途区分を正確に把握していない
・過去の使用履歴をそのまま踏襲している
・管理会社任せで詳細を確認していない

こうした状況で用途違反が発覚すると、「誰が悪いのか分からない」「今さらどうにもならない」という、非常に複雑な問題に発展してしまいます。

2.どのようなリスクがあるのか ― 用途違反がもたらす4つの大きなリスク

用途違反は「注意されて終わり」という話ではありません。主に以下の4つのリスクがあります。

① 違反建築として行政指摘を受けるリスク

用途が建築基準法に違反している場合、行政から是正指導や使用制限を受ける可能性があります。
場合によっては、
・用途変更申請が通らない
・使用停止命令を受ける
といった厳しい措置が取られることもあります。

② 賃貸借契約の解除・トラブル

用途違反は、多くの契約書で「解除事由」に該当します。
しかし、契約開始時の説明内容によっては、逆にテナントから「適法に使えない建物だった」と主張される場合もあり、紛争に発展しやすいポイントですので、注意が必要です。

③ 事故発生時の責任問題

用途が想定と異なる状態で事故が起きた場合には、オーナーの管理責任が問われる可能性も考えられます。

例えば、テナントが用途違反している状況を見過ごしていた場合や、用途に違反した内容で賃貸借契約を締結していた場合には、テナントだけでなくオーナーの責任も問われることがあります。

④ 損害賠償請求のリスク

事故や営業停止により、テナントからの損害賠償や第三者への賠償責任が発生するケースもあり、金額が大きくなることも珍しくありません。
また、事故や訴訟に発展した場合には、企業イメージの低下につながる可能性も否定できません。

3.用途違反に気づいたとき、企業が取るべき対応

①まずは「現状の再確認」

最初にやるべきことは、今の使われ方が違法なのかどうかの再確認です。
・建築確認時の用途
・現在の使用実態
・関係法令(建築基準法・消防法など)
これらを整理して、現状を正確に把握しましょう。

②契約内容の再確認

次に、賃貸借契約書を確認します。
・契約上の用途は何か
・用途変更時の手続きはどうなっているか
・オーナー承諾の要否
「契約ではNGだが、実態はOK」あるいはその逆、というケースも有りえます。ここを曖昧にすると是正が進みません。

③違反していた場合は「是正方法」を早急に検討

もし用途違反が判明した場合は、放置せず早急に是正方法を検討する必要があります。
・用途を元に戻せるのか
・または、法的に用途変更申請が可能か
・契約内容を見直す必要があるのか

すぐに是正できるなら問題は小さく済みますが、難しい場合は専門家へ相談した後に、オーナー・テナント間で協議する場を早急に設けることが重要です。

 

4.こうならないために企業ができること

①日常的な用途チェックの重要性

用途違反は、時間とともに静かに進行します。
そのため、日頃から「契約どおり使われているか」を確認する仕組みが必要です。
・定期的な現地確認
・業態変更時の報告ルール
・書面での用途確認
これだけでもリスクは大きく下がります。

②管理会社任せにしすぎない

管理会社に任せていても、用途違反の最終責任はオーナーにあるという点を忘れてはいけません。
そこで、管理会社に対しては用途遵守の確認や、異変があった際の報告義務を明確に求めることが重要です。

③第三者によるチェックという選択肢

場合によっては、第三者による点検も非常に有効な選択肢です。
特におすすめなのは、建築知識に精通した不動産会社によるチェックです。
これにより、本来の建築用途と実態とのズレや、将来的なリスクを客観的に把握することができ、「問題が大きくなる前」に手を打つことができます。

 

5.まとめ

用途違反は、「知らなかった」「悪気はなかった」では済まされない問題です。
しかし逆に言えば、正しく理解し、早めに対応すれば、十分に防げるリスクでもあります。

自社所有の不動産を守り、企業としての信用を守るためにも、今一度、「用途」という視点で不動産を点検してみてはいかがでしょうか。

 

柴総合計画では、「企業不動産戦略(CRE戦略)」について初回無料相談を行っています。

企業にとって不動産は、単なる保有資産ではなく、事業活動を支える重要なインフラであり、経営戦略の一翼を担う存在です。
オフィスや工場、店舗、倉庫など、企業不動産(CRE: Corporate Real Estate)は多様な形で事業と密接に結びついています。
近年では、これらが適切に活用・管理されているかが、従来以上に厳しく問われるようになりました。
その背景には、法令順守の徹底や従業員の安全確保を重視する社会的要請の高まりがあります。

当社では、不動産の特性だけでなく、企業の業績や経営方針を踏まえて総合的な判断をし、最善の選択肢をご提案します。
そして、税理士や司法書士・弁護士など専門家との連携が必要な場合は、積極的に相談しながら最善策を検討して進めてまいります。
もし、「企業不動産戦略(CRE戦略)」について少しでも気になる点が有りましたら、ぜひ一度当社へご相談ください。

また当社では、税理士など専門士業からのご相談もお受けしております。
クライアントの「企業不動産戦略(CRE戦略)」について、気になる点がございましたら、ぜひ一度当社へお声掛けください。

まずは「不動産活用ドック」からお問い合わせください。

『不動産活用ドック』サイトは、こちら


歌舞伎座から徒歩3分、「不動産」の様々なご相談を承ります。