事例/お役立ち情報 Infomation

2024.07.22

土地・空き家 活用

企業成長に繋げる不動産戦略

Q.企業の成長に繋げる、不動産戦略の注意点を教えてください

A.①コア・ノンコアの選別、②所有形態の点検、③法令順守、この3点を確認しましょう


はじめに、所有する不動産の「コア・ノンコア」選別を行います。

企業不動産の活用戦略は「CRE(CORPORATE REAL ESTATE)戦略」とも呼ばれ、近年特に注目されています。

ここでは次の専門用語がよく使われます。
「コア不動産」・・・・企業存続のためには、保有することが欠かせない不動産
「ノンコア不動産」・・企業経営にとって、必ずしも保有する必要のない不動産
会社の経営方針と照らし合わせながら、不動産を「コア」と「ノンコア」に分類しましょう。

「コア不動産」は企業にとって欠かせない資産なので、中長期にわたって活用していく「不動産経営計画」をたてる必要があります。
「ノンコア不動産」は、いずれ売却する可能性がある資産なので、保有しながらも流動性を保ち続ける必要があります。

たとえば、自社所有の本社ビルであっても、今後の経営方針に照らし合わせて、もしノンコア不動産なら、売却して流動資産比率を高め、自らはテナントとなる、という選択肢もあり得るのです。これらは、大手の企業においても実際に行われている取り組みです。

つぎに点検するのは、不動産の所有形態です。

とくに中小企業の場合、代表者個人所有の不動産を法人が利用していることがあります。
なかには「賃貸借契約書」も取り交わさず、曖昧に使用しているような事例も見られます。

もしその不動産が「コア不動産」だとしたら一大事です。
近い将来、企業の事業継続と個人の相続問題が同時に発生するという、大混乱に陥る可能性が高い状況です。

あなたの企業がこのような状況だとしたら、何らかの対策が必要だとお考え下さい。
早急に個人の不動産と企業経営を切り離す検討を始めましょう。

3つ目には、法令順守についてお伝えします。

どこの業界でも法令順守は厳しさが増していると思いますが、当然ながら不動産業界においても同様です。
不動産を「資産」として良質な状態を保ち続けるためには、欠かせない重要なポイントになります。

例えば、建物には「用途」が定められています。
よって、建物をその目的以外に使用していると法令違反の不動産となります。
また、建物の規模によっては消防設備や電気設備などには法定点検が定められております。
点検時に不備や指摘事項がある場合には是正しなくてはいけません。

ここ約30年ほどの間に、建設不動産業界は大きく変わったという背景があります。
平成の中期に起きた耐震偽装事件や、ちょうどその頃から始まったJ-REIT(上場不動産投資信託)による不動産の金融商品化などにより、建築不動産業界に向けられる社会全体の視線が厳しくなったのです。
さらに、たび重なる人災や自然災害のたびに、消防法などの関連法規も改訂されて厳しさを増しています。

これら法令への不備は、そのまま不動産の資産価値に影響します。
よってオーナーは不動産の資産価値を維持するために、「コア」「ノンコア」いずれであっても適宜対応していく必要があるのです。

これらに正しく対応するには「建物」に関連する資料を、日頃から整えておく必要があります。
建物の「維持管理」「修繕リノベーション」「不動産の売却」いずれの場面でおいても重要な役割を果たす資料となります。
すなわち、これらの資料が整っているかどうかによって、不動産の価値にも関係するのです。

このように、企業が不動産を保有しながら持続可能な成長を実現するには、上記に注意して戦略をたてることが重要です。
これらへ対応するために、日頃から不動産や建物の専門家に相談できる体制を整えておきましょう。

<過去の参考記事>
2024.6.20
会社が所有する不動産を「コア・ノンコア」いう視点で分類する

 

柴総合計画では「企業の成長に繋げる不動産戦略」について30分無料相談を行っています。

当社では、日ごろからさまざまな不動産のご相談を承っております。

今回は、自社が所有する不動産の分類方法、ならびに取り組むべき課題について整理しました。
このように、不動産を整理をすることによって、次に取り組むべき課題が見えてくることが、お解かり頂けたのではないでしょうか。

会社が所有する不動産を、今後どう活用するか、または売却するかで迷っているようでしたら、ぜひ当社へご相談ください。