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2024.06.10

不動産売買

空き家を所有しているだけで、かかる費用

空き家を所有しているだけで、次のような費用がかかります
・固定資産税
・都市計画税
・庭の維持管理費・除草費
・建物管理費
・修繕費
・町内会費・自治会費
・道路使用料
・電気料金
・水道料金
・下水道料金
・浄化槽維持管理費
・ガス料金(都市ガス・LPガス)
・火災保険
・各種法定点検費

下記で解説しています



「固定資産税」

住宅地や田んぼなどの土地、住宅やお店などの家屋、工場の機械や会社の備品などの償却資産を総称して固定資産と呼びます。
固定資産税とは、こうした固定資産にかかる税金です。
固定資産の所有者が、その資産価値に応じて算定された税額を、固定資産の所在する市町村に納めます。

土地や家屋などの固定資産が所在する市町村に、市町村税として納税します。
ただし、東京都23区内の場合は、東京都に対して、都税として納税することになります。

・納税義務者(税を納めなければならない人)
固定資産を所有している個人・法人が納税義務者になります。
・固定資産税の歴史
元々、日本には明治時代から地租(土地に対する税金)や家屋税(住宅に対する税金)がありましたが、戦後の1950(昭和25)年に、シャウプ勧告に基づく地方税制改正の一環として、地租や家屋税を統廃合し、原則市町村税として、固定資産税が創設されました。
・固定資産税の目的
固定資産税として納税されたお金は皆さんの日々の生活を支える財源として活用されています。
固定資産税は普通税(税収の使途が定められていない税)であり、徴収した市町村により、例えば皆さんが毎日使う道路や学校、友達と遊ぶ公園など、日々の生活で利用する公共施設の整備のほか、介護・福祉などの行政サービスにも使われています。
(総務省ホームページより、解説を抜粋)

「都市計画税」

都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村が、都市計画区域内にある土地や家屋に対して、その事業に必要となる費用に充てるために課する税金です。
都市計画税を課税するかどうかは、それぞれの地域における都市計画事業等に応じて、市町村の自主的な判断に委ねられます。
都市計画事業や土地区画整理事業を行う市町村に納税します。
なお、東京都23区内の場合は、東京都に対して、都税として納税することになります。

・納税義務者(税を納めなければならない人)
市街化区域内に土地や家屋を所有している個人・法人が都市計画税を納税します。
・都市計画税の歴史
都市計画税は1919(大正8)年、都市計画事業に必要となる費用に充てるために創設された「都市計画特別税」に流れを持ち、1940(昭和15)年に目的税として、創設されました。
その後、1950(昭和25)年のシャウプ勧告により、都市計画税は一旦、廃止され、水利地益税に実質的に吸収されましたが、1956(昭和31)年に都市計画税が復活し、現在に至ります。
・都市計画税の目的
普通税(税収の使途が定められていない税)である固定資産税と異なり、都市計画税は目的税(一定の政策目的を遂げるために、税収の使途が定められている税)であり、皆さんが住む市町村の発展のため、都市計画事業(道路、水道、公園などの公共施設の整備など)や土地区画整理事業など、決められた一定の事業に使われます。
(総務省ホームページより、解説を抜粋)


「庭の維持管理費・除草費」

空き家や空き地を所有して、早々に生じる問題としては、除草と維持管理が挙げられます。
まず、雑草の処理に頭を悩める方が多いのではないでしょうか。
しばらく見ていないだけで、敷地はあっという間に荒れ放題となってしまいます。
放置し続けると、その状況に耐え切れなくなった近隣が自治体へ苦情を入れ、その自治体から雑草が伸びきった写真が届いて、あなたは驚愕することになるでしょう。
自治体から通知が届いたので、休日を返上して家族総出で除草作業を行った、という経験のある方もおられるのではないでしょうか。

次の問題は、庭木の剪定です。
しばらく放置している間に、樹木もどんどん成長します。
いつの間にかお隣りにまで枝が伸び、多大な迷惑をかけることがあります。
隣りの家屋を傷つけたり、通行人に怪我をさせる前に、剪定をしなくてはいけません。

また、風によって舞ってきたゴミの吹き溜まりとなったり、郵便ポストが投函チラシで溢れたりします。
このように、ひとが暮らしていない家屋は、時間とともに「空き家感」が漂ってくるのです。
最近では空き家が放置されることによる治安の悪化も懸念されています。
不動産の所有者責任として、空き家や空き地の維持管理には注意を払い続けなければいけないのです。


「建物管理費」

一般には、集合住宅(マンションやアパート)の共用部分における維持管理をするための費用のことを指します。
共有部分とはエントランス・廊下・エレベーターなどが該当し、その清掃や維持管理のための人件費・水道光熱費・消耗品交換費やエレベーターの保守点検・補修などに使用されます。
また、近年では空き家の巡回管理を請け負うサービスも見られますので、この費用のことを指す場合もあります。


「修繕費」

建物を所有していると、経年劣化や破損の状況に応じて修繕費が生じます。放置すると近隣に迷惑がかかる場合もありますので、建物オーナーの責任として修理をしなくてはいけません。
なお、所有する建物がマンションなど区分所有建物の場合においては、修繕積立金がかかります。
修繕積立金とは、建物の外壁や屋上などの共用部分を維持・修繕するため、定期的に行われる「大規模修繕工事」の資金を賄うために積み立てる資金のことです。
物件によっても異なりますが、大規模修繕工事はおおよそ10~15年に一度の周期で行われます。
要するに、戸建てでもマンションでも、建物を所有している限り修繕費は発生するものなのです。


「町内会費・自治会費」

これらは、町内会や自治会の活動資金として、地域の住民から徴収される費用のことを指します。
地域の清掃活動や、イベント・祭り・防犯活動などの費用に充てられます。
会費の支払いは任意であることが多いようですが、地域によって特異性がありますので、各地域における慣習をご確認されるのが賢明です。
なお、金額や徴収方法は地域や町内会の規模によって異なりますが、一般的には年額で徴収されていることが多いようです。

「道路使用料」

あまり多くは見かけませんが、不動産を利用するために道路使用料の負担が必要となる場合もあります。
例えば私道を所有する地主に対して道路使用料を支払う地域もあります。もし私道の所有権を持っていない場合には特にご注意ください。
または市街地において公共道路を使用または占用している場合には、道路管理者による許可が必要になるとともに費用が発生します。


「電気料金」

空き家を今後も活用するのなら、電気の契約は終了させずに、ブレーカーも落とさない状態が良いでしょう。
基本料金は生じますが、すぐに使用できる状態にしておいたほうが利用勝手が良いです。

電気をすべて停止させてしまうと、何らかの障害が起きる可能性もあるので、注意が必要です。
例えば、冷蔵庫の中身が腐ります。
また、寒冷地ではボイラーが凍結して破損・漏水することがあります。
その他、建物によっては揚水ポンプや排水ポンプが停止してしまうなど、他の設備器具に影響を及ぼすこともあります。
このように、電気を完全停止させる際には準備の確認が必要になのです。

なお、請求書の送付先を現地以外にすることも可能ですので、必要に応じて契約先へ確認してください。

逆に、しばらく完全に利用しないのなら、電気を止めてしまうという選択肢もあります。
電気を停止させる一番の安心は、漏電火災の心配が無いことです。
しかし、上記のように電気を停止させるのにも準備が必要ですので、いずれにしても専門家と相談してから取り掛かることをお勧めします。


「水道料金」

空き家を今後も活用するのなら、基本料金は生じますが、水道の契約は終了させずにすぐに使用できる状態にしておくと良いでしょう。
もちろん、すべての蛇口が締まっていることは確認しておく必要はあります。

ただし、しばらく空き家を使用しないのなら、水道メーターの脇にある「元栓」を閉めておくことをお勧めします。
ここを閉めておけば、建物の水道は元で停止していることになります。

また、もし寒冷地の空き家なら「水抜き」をしておく必要があります。
万一の凍結を防止するための作業なので、もしわからなければ専門業者に相談されることをお勧めします。

なお、給水装置には「使用者」と「所有者」があります。
「所有者」とは給水装置を所有している方です。「使用者」とは、実際に水道を使用して水道料金を支払っている方になります。

使用者宛の請求書送付先を現地以外にすることも可能ですので、必要に応じて契約先へ確認してください。


「下水道料金」

特に都市部では、上水道の契約とあわせて一括手続きとすることが多く、料金も使用水量にあわせて料率をかける計算方法がとられています。
ただし、井戸水や雨水再利用水などを利用して下水へ流す際には、合計した汚水排出量に対して料率が適用されるようです。

また、なかには下水道が通っておらずに浄化槽を利用している地域もありますので、このような地域では別に浄化槽設備が必要になります。
さらに、過去は浄化槽を利用する地域だったが、近年下水道が通ったために下水道への排水に切り替えているというケースもあります。
もし排水方法が不明な場合には、地域の自治体や下水道局へ問合せをしてみると良いでしょう。


「浄化槽維持管理費」

浄化槽とは、下水道管が埋設されていない地域において、自宅の敷地内で汚水を処理する装置のことです。
トイレやキッチン、お風呂などの生活汚水を、浄化槽内でバクテリアが浄化してから前面道路や河川へ放流します。
このバクテリアは酸素がないと死んでしまうため、浄化槽では常にブロアと呼ばれるポンプを稼働させて酸素を送り込んでいるのです。そのために、ブロアを常に稼働させておく必要があります。
そして浄化槽は、年1回の清掃と年4回の点検が必要となります。
また、浄化槽本体の耐久年数は30年と言われていますが、経年劣化によって故障や修理費用が発生します。
よって、空き家を今後も活用するのなら、浄化槽維持管理契約は継続させなくてはいけないのです。


「ガス料金(都市ガス・LPガス)」

しばらく空き家になる場合、ガスはいったん使用停止の手続きをしましょう。
都市ガス・LPガスいずれの場合でも、開栓閉栓の際には現地の立ち合いが必要となります。

・都市ガス
道路に埋設されたガス管を通じて供給されます。
都市ガスは空気よりも軽いために、室内でガスが漏れると天井に溜まります。
よって、都市ガス用のガス漏れ警報器は上のほうに設置されます。
本来は無色・無臭ですが、ガス漏れ時にすぐに気が付くよう匂いをつけてあります。
海外から輸入する液化天然ガス(LNG)が、成分の大半を占めます。

・プロパンガス(LPガス)
ガスボンベを、事業者が配送して設置・交換します。
LPガスは空気よりも重いために、室内でガスが漏れると低い場所に溜まります。
よって、LPガス用のガス漏れ警報器は下のほうに設置されます。
本来は無色・無臭ですが、ガス漏れ時にすぐに気が付くよう匂いをつけてあります。
海外から輸入する液化石油ガス(LPG)が、成分の大半を占めます。


「火災保険」

居住中の家屋にかける「火災保険」と、空き家にかける「火災保険」は、そもそも種類が違います。
誰も住んでいない空き家は「住宅物件」とはみなされずに、「一般物件」として火災保険に加入することになるケースが多いようです。
一般物件とは、店舗や事務所など「住まい」ではない建物のことを指し、住宅物件に比べて保険料が高く設定されています。

また、空き家でも無保険は危険です。空き家だからこそ起こり得るリスクもあるからです。
たとえば、自然災害で家屋が破損したら修理が必要ですし、破損した際に第三者へ怪我をさせてしまう可能性もあります。
さらに、空き家には放火される危険性もあります。普段住んでいない空き家は目が届きにくく、異常が起こったときに気付きにくいというリスクがあるのです。

空き家を対象にした火災保険は取扱いが非常に少ないようですが、もし空き家となった実家を相続し、火災保険をそのまま継続する場合は、まずは空き家となったことを保険会社に伝えしましょう。


「各種法定点検費」

これらは、空き家がビルや複合施設の場合に、特に注意が必要です。
各種法定点検には、次のようなものがあります。

・消防点検(消防用設備点検報告)
消火器やスプリンクラー、自動火災報知設備などの消防用設備が、火災の際に正常に作動しないと人命にかかわることから、消防法や火災予防条例に基づいて定期的に点検し、管轄する消防署へ報告する制度です。
(参考 東京消防庁ホームページ)

・受電設備点検(高圧受電設備(キュービクル)保安点検)
電気事故を未然に防ぐために定期的にキュービクル内部の動作や外観の異常を確認する作業です。
受変電設備は、電気事業法により設備の保安管理を行うことを義務付けられております。
キュービクルの点検は毎月、もしくは隔月の点検と年次点検の2つが法令で定められています。
毎月、隔月の点検の頻度の違いは、キュービクルに絶縁監視装置が付けられているかいないかによって異なります。
年次点検では、電気を停止させた上で精密な点検を行います。
(参考 関東電気保安協会ホームページ)

・貯水槽(受水タンク)
貯水槽とは、公共水道から引いた配水管の圧力だけでは水が届かないような建物の高層階へ給水するために、配水管からの水道水を一旦受ける水槽のことです。受水槽からポンプを使って高層階へ給水します。
貯水槽の有効容量が10m³を超えるものは「簡易専用水道」となり、水道法によって設置者の義務が規定されています。これより小さい容量の貯水槽は、簡易専用水道に準じて管理することが望ましいとされています。
簡易専用水道の設置者の義務は、
①厚生労働大臣の登録を受けた検査機関による検査の受検(年1回)
②衛生的な管理として年1回の貯水槽の清掃
③施設の点検
④汚染事故が起きた時の対応
となります。
(参考 東京都水道局ホームページ)

・汚水槽・雑排水槽
ビル管理法・建築物衛生法により「特定建築物」に設置されている排水槽(汚水槽・雑排水槽)は、6か月に1回以上の清掃が義務付けられています。
地下階を有するビルなど公共下水管よりも低い位置で排水が排出されるような構造の建物では、地上階のように配管の自然流下によって公共下水道へ排出することが出来ません。
そのため、このような建物にはビルピットと呼ばれる排水槽(汚水槽、雑排水槽)を地下階の下に設置して、トイレなどの排水を一時的に貯留し、一定の水量が溜まるとポンプによって公共下水管へ圧送する仕組みとなっております。
(参考 東京都下水道局ホームページ)

・エレベーター・エスカレーター
これらの適切な管理と保守点検・定期検査は、毎日の安全・快適な運行に欠かすことができません。
建物の所有者(管理者)は保守点検業者を選定し、保守・点検に関する契約に基づき保守点検業者に保守・点検を行わせることと明記されており、保守点検及び定期検査の記録は3年以上の保管が必要とされています。
また「定期検査」において「要重点点検」と判定された項目については、次回の定期検査までに「要是正」に至るおそれが高い状態であり、所有者等に対し日常の保守点検において重点的に点検するとともに、「要是正」の状態に至った場合は速やかに対応することを促すものとされており、これへの対応としても保守点検が重要となります。
建築基準法には「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない」と定められております。これを実現する方法として、国土交通省から「昇降機の適切な維持管理に関する指針」が公表されています。
(参考 国土交通省ホームページ)

 

柴総合計画では、空き家の「有効活用」「ご売却」について30分無料相談を行っています。

当社では、日ごろからさまざまな不動産のご相談を承っております。

今回は、空き家を所有しているだけで、かかる費用についてお伝えしました。
このように、空き家を所有しているだけで結構な手間と費用がかかるのです。

もし、空き家の有効活用や売却について検討中の方は、ぜひ当社へご相談ください。