2024.04.02
賃貸管理・不動産経営
賃貸住宅における残置物の処理等に関するモデル契約条項
単身高齢者の居住の安定確保を図るために、賃貸住宅において賃借人死亡後に契約関係及び居室内に残された家財(残置物)を円滑に処理できるように、賃貸借契約の解除及び残置物の処理に関する「残置物の処理等に関するモデル契約条項」(以下「モデル契約条項」という。)を令和3年6月に国土交通省及び法務省にて策定されました。
高齢者の単身世帯が増加している中、民間賃貸住宅等においては、相続人の有無や所在が明らかでない単身者が死亡した際の賃貸借契約の解除や居室内に残された動産(残置物)の処理への不安感から、高齢者の入居の申込みを賃貸人が拒否することがあります。
このような不安感を払拭し、単身の高齢者の居住の安定確保を図る観点から、単身の高齢者が死亡した際に契約関係及び残置物を円滑に処理できるように、賃借人と受任者との間で締結する賃貸借契約の解除及び残置物の処理を内容とした死後事務委任契約等に係る「残置物の処理等に関するモデル契約条項」が策定されました。
モデル契約条項は、その使用が法令で義務づけられているものではありませんが、モデル契約条項が広く普及されることにより、合理的な死後事務委任契約等が締結され、ひいては、単身の高齢者の居住の安定確保が図られることを期待されております。
このモデル契約条項では、賃貸借契約の解除と残置物の処理に関する委任契約とを別々のものとしており、また条文ごとに詳細な解説が付されています。
そのため、今般そのまま使える形式とするなどモデル契約条項の利便性向上を目的として次の①から④の契約書式が作成されました。
◇2つの委任契約を同一の受任者と締結する場合の契約書式
① 解除関係事務委任契約と残置物関係事務委託契約を同一の受任者との間で締結する1通の契約書式
◇2つの委任契約をそれぞれ別の受任者と締結する場合の契約書式
② 解除関係事務委任契約に関する契約書式
③ 残置物関係事務委託契約に関する契約書式
◇賃借人と賃貸人が締結する賃貸借契約における特約条項の記載例
④ 上記①の委任契約又は②と③の2つの委任契約の締結を前提とした賃貸借契約を締結する場合に、関連する条項を賃貸借契約書に特約条項として盛り込む際の記載例
詳しくは、こちらのサイトをご参照ください。
<参考サイト>
残置物の処理等に関するモデル契約条項【国土交通省ホームページ】
「家主さん向け」60歳以上の単身入居者の死亡時、簡便な方法で残置物を処分する方法を取りまとめたガイドブック(PDF)」【全国賃貸住宅経営者協会連合会 提供】