2023.09.09
不動産相続
「空き家」になった建物を引き継ぐ際の、3つの重要なポイント
今日では、ご親族がお亡くなりになった際の相続人となってしまったというケースや、ご両親が施設に入所されるなどという理由から、どうしても「空き家」を引き継がなくてはいけない方も、多く見られます。
いずれ売却されることも多いのですが、まずは当面管理しなくてはいけない、というご相談も多く寄せられます。
この場合、ただ空き家を放置しておくわけにはいきません。
それでは、いったい何に注意が必要なのでしょうか?
そこで今回は、「空き家」になった建物を引き継ぐ際に気を付けるポイントについてお伝えします。
目次
なぜ、空き家を管理する際に気をつける必要があるのか
「空き家」になった建物を引き継ぐ際の、3つの重要なポイント
①ライフラインを確認
②鍵の管理と、郵便物その他への対応
③登記名義人を確認
柴総合計画では30分無料相談を行っています
なぜ、空き家を管理する際に気をつける必要があるのか
その理由は、たとえ空き家でも「あなたに不動産の管理者責任がある」からなのです。
想像してみてください。
「もし火事になったら、どうしますか?」
「もし気づかないうちに、知らない誰かが住んでいたら、どうしますか?」
このように、たとえ空き家でも注意を払い続けなくてはいけないのです。
そこで今回は、「空き家」になった建物を引き継ぐ際に気を付けるポイントについてお伝えします。
「空き家」になった建物を引き継ぐ際の、3つの重要なポイント
①ライフラインを確認
まず、ライフラインにご注意です。
ライフラインとは「電気」「水道」「ガス」「他」です。
すぐにまた居住されるようなら、そのまま継続しておいても良いでしょう。
もし、しばらく見通しが立たないのなら、いったん停止するなどの措置が必要です。
しかし、一律に停止するのは賢明な対応とは言えません。
それぞれについて、適切な対応が必要となります。
一般的には「電気」「水道」は、使用契約は止めずに建物側で停止しておくことをお勧めします。
電気の場合はブレーカーで停止をさせる、水道については元栓を閉める作業となります。
この作業は素人でも簡単にできますが、冬場に凍結の恐れがある寒冷地や、特殊な電気設備を設けている建物については注意が必要です。
これらの場合は機器が破損する恐れがありますので、不動産会社または地元の設備業者へ対応をご依頼されることをお勧めします。
「ガス」については、空き家になったらすぐに契約停止(解除)されることをお勧めします。
都市ガスの場合は閉栓手続きで済みますが、プロパンガスの場合にはボンベを撤去してもらう必要があります。
これらの他にも設備がある場合があります。どうぞご注意ください。
例えば「オイルタンク」です。これを設置されている場合には、オイルを抜いてもらうことをお勧めします。
また「浄化槽」がある場合には維持管理契約をされていると思いますので、管理業者へ連絡をして今後について協議をする必要があります。
他には、電話やケーブルテレビの契約などがあります。
もし不要なようであれば、これらも解約の手続きをされる必要があります。
このように、ライフラインひとつをとっても結構やることがありますので、ご注意ください。
②鍵の管理と、郵便物その他への対応
つぎに、防犯上の確認が必要です。
まずは戸締りです。
「鍵」の箇所と本数は、すべて確認できる状況でしょうか。
あなたがお持ちの本数だけでなく、もしどなたかに貸出ししているようなら、その本数も確認できるようにしておきましょう。
鍵は、不動産を管理するあなたにとって大変重要なアイテムとなります。
しっかりと確認しておきましょう。
さらに、もし「警備会社」と契約されているようであれば、これらの契約を継続するのか、いったん終了させるのか、判断をする必要があります。
この判断は、今後の利用方法や、不動産の立地状況によってもまちまちなので、一律にこうした方が良いという回答を準備することが難しいです。
今後の利用方針を検討したうえで、警備会社へご相談ください。
もうひとつ重要なのが「郵便物」への対応です。
うっかりすると郵便受けが溢れかえったりして、大変なことになってしまいます。
これには、郵便受けをしっかりと塞いでしまわれることをお勧めします。
しかし、これはご近所に空き家であることを伝えているようなものなので、抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、塞げるようなら塞いでしまった方がその後の対応が進めやすくなります。
そして郵便局に、郵便物の転送手続きをされると良いでしょう。その続きをすませると、1年間は他の場所で現地へ届く郵便物を受け取ることが可能となります。
もしくは郵便受けを頻繁に見に行くという選択肢を取られる方もいらっしゃいますが、これも結構大変なのです。
出来ることなら、早めに室内の貴重品を整理したうえでポストを塞ぎ、ご近隣または町内会にでも空き家となっている旨を伝えておくことができたら良いと思います。
ほかには、ご加入中されている火災保険の確認も必要です。
先にお伝えした通り、万が一の火災元になってしまった場合には、管理者の責任が問われる可能性があります。
もし保険に加入している場合でも、居住中の場合と空き家の場合では、取り扱いの違う保険もあるようですので、いずれにしてもご加入されている保険について確認しておくことが望ましいでしょう。
③登記名義人を確認する
3つめに取り上げるのは「登記名義人」についてです。
このたび「空き家」になる建物は、どなたの名義で登記されていますか。
被相続人でしょうか。相続手続きが済んで、あたなの登記となっているのでしょうか。またはどなたかとの共有名義でしょうか。
これはとっても重要なポイントです。
もしあなたが「空き家」の今後について一任されていて、あなた名義となっているのなら問題はありません。
しかし、他人の名義となっていたり、共有だったりすると、活用するにも売却するにも、あなたの一存で進めるわけにはいかなくなります。
もしあなた以外の名義となっているようなら、今後について何らかの対応をした方が良いかもしれません。
また、ご両親が施設へ入所されるような場合でも、かならず確認するようにしてください。
近い将来、もし売却へと進める際に、万が一登記名義人が認知症を発症していたら、すぐに売却へと進めることは困難となります。
これには早めの準備が必要です。具体的には、任意後見や家族信託の準備をすることが考えられます。
もしこのようなケースに当てはまると思われる場合には、早めに不動産コンサルティング会社または司法書士・行政書士などへ相談されることをお勧めします。
柴総合計画では「空き家」の相続について30分無料相談を行っています。
当社では、日ごろからさまざまな不動産オーナーからのご相談を承っております。
今回テーマで取り上げた「空き家」になった建物を引き継ぐ際のポイントは、結構多岐にわたることがお分かり頂けたと思います。
当社は「空き家」となる建物の特性やご相談者様の状況を踏まえて総合的な判断をして、より良い今後の進め方をご提案します。
もし、「空き家」になった建物を引き継ぐ際のことで色々と聞いてみたい方は、ぜひ当社へご相談ください。。