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2026.10.17

不動産売買

本社ビル売却にあわせた隣地買収による土地価値バリューアッププロジェクト

本社ビル売却を機に隣地を取得し、土地価値を高めた不動産コンサルティング事例

コンサルティング概要(Before → After)

ご相談前(Before)

  • 経営改革の一環として、本社ビルを売却して財務体質を改善する方針
  • 築40年を超える本社ビルは、狭い道路に面し、建築上の接道にも課題があった
  • 現状の敷地では、指定容積率を十分に活用できない可能性があった
  • 本社売却と事務所移転を、会社経営に支障なく進める必要があった

コンサルティング後(After)

  • 本社ビル売却と同時に隣地の一部を買収
  • 約3坪の隣接地取得により、接道条件を改善できる可能性を創出
  • 消化可能な容積率を最大420%から570%まで引き上げることに成功
  • 開発事業者にとって再開発の可能性が高まり、本社ビルの売却価値向上につながった
  • 売却・隣地買収・事務所移転・内装・引越しまで一連のプロセスをサポート
  • 約30名の社員が速やかに新しい環境で業務を開始できる体制を整えた

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◇コンサルティングの詳細

1)相談者の状況

法人代表者様から、次のようなご相談をいただきました。

「長年、本社として使ってきた自社ビルを売却し、会社の財務体質を改善したいと考えています。業界全体が縮小傾向にあり、今後の経営を考えると、本社ビルという固定資産を売却して、事業や次の投資に資金を振り向けることが必要だと考えています。ただ、本社ビルを売却することも、テナントオフィスへ移転することも初めてです。どのような順番で進めればよいのか分かりません。また、できるだけ会社にとって有利な条件で売却できる方法があれば、一緒に検討していただきたいです。」

相談者プロフィール

相談者
* 50代男性・法人代表者
* 事業承継を経て会社を経営
* 社員約30名

法人
* 創業から約50年
* 自動車整備機器を扱うメーカー
* 本社のほか、複数地域に支社を展開
* 経営環境の変化を受け、企業の立て直しと経営戦略を検討中

不動産
* 築40年を超える鉄筋コンクリート造6階建ての本社ビル
* 長年にわたり自社利用
* 狭い道路に面しており、建築基準法上の接道に課題
* 一部が広い道路に面しているものの、接道面が約1mにとどまっていた

ご相談時の状況

今回のご相談は、単純な「本社ビルをいくらで売却するか」という不動産売却の問題ではありませんでした。

長年、自社の拠点として利用してきた本社ビルを売却し、事業に必要な資金を確保する一方で、今後の経営に適した賃貸オフィスへ移転する必要がありました。

さらに、本社ビルの敷地には建築上の課題があり、現状のままでは土地が持つ潜在的な価値を十分に活かせない可能性がありました。

そこで、売却することだけを考えるのではなく、「この土地を次に取得する事業者から見た場合、どのようにすれば、より価値のある土地になるのか」という視点から検討を始めました
。


2)抱えていた問題

当初の課題を整理すると、大きく次のようなものでした。

* 築40年を超える本社ビルを今後も所有し続けるべきか
* 本社ビルを売却して財務体質を改善するべきか
* 売却する場合、会社の決算や経営計画にどのように合わせるか
* 現在の帳簿価格と売却価格の乖離をどのように考えるか
* 接道条件に課題がある土地を、どのように評価するか
* 本社ビルの売却価値を高める方法はないか
* 隣接地を取得することで土地の価値を高められないか
* 本社売却と新しい事務所への移転をどのように連動させるか

特に重要だったのが、隣接地の存在でした。

本社ビルの敷地は、現状では道路条件のために指定容積率を十分に活用できない可能性がありました。

一方で、わずかながら広い道路に接している部分があり、隣接地の一部を取得して適切に接道条件を整えることができれば、土地の利用可能性を高められる可能性がありました。

そこで私たちは、「本社ビルを売る」という一つの取引だけではなく、「売却前に土地そのものの価値を高めることができないか」という方向から検討しました
。


3)コンサルティングを提供するために確認したこと

まず、法人の経営状況と不動産の状況を一体として確認しました。

具体的には、
* 法人の経営方針
* 今後の事業展開
* 本社ビルを所有し続けるメリット・デメリット
* 本社売却による財務面への影響
* 建物の築年数・構造・利用状況
* 土地の形状・面積
* 道路との接道状況
* 建築基準法上の接道条件
* 容積率の利用可能性
* 隣接地の状況
* 隣地取得の可能性
* 境界・分筆の必要性
* 売却後の開発可能性
* 売却時期と法人の決算期との関係
* 売却後の事務所移転計画

などを確認しました。

その結果、隣接地の一部を取得することができれば、本社ビルそのものではなく、土地としての将来的な利用価値を高められる可能性があることが分かりました。

ただし、隣地取得は単純な土地売買ではありません。

取得部分を分筆するためには境界を確認・確定する必要があり、さらに、土地を取得しただけで建築上の条件が改善されなければ意味がありません。

そのため、建築・測量・土地取引・売却条件を相互に確認しながら、慎重に進める必要がありました。


4)コンサルティングを実行した流れ

① タイムチャージ型(初期相談)

まず、法人の経営状況と本社ビルの現状を確認しました。
本社ビルを所有し続ける場合と売却する場合、それぞれのメリット・デメリットを整理し、会社の今後の経営方針と照らし合わせました。

↓

② 顧問型(課題解決)

継続的な打ち合わせを重ねながら、

  • 法人の経営方針
  • 本社ビルの売却
  • 不動産の利用価値
  • 隣地取得による価値向上
  • 売却時期
  • 事務所移転

を一体的に検討しました。

↓

③ 隣地買収と不動産価値の向上

本社ビルの売却時期に合わせ、隣地所有者との交渉を開始しました。

隣接地の一部を分筆して取得するため、境界の確認など複数の調整が必要となりました。

最終的には隣接地の一部、約3坪を取得。

これにより、もともと最大420%だった消化可能容積率を570%まで引き上げることに成功しました。

土地を取得する開発事業者にとっても、将来的な開発の可能性が広がる結果となりました
。

↓

④ 本社ビル売却・現金化サポート

法人経営への影響を考慮しながら、

  • 帳簿価格を踏まえた売却条件の検討
  • 売却後の売主負担の確認
  • 決算期を踏まえた売却時期の判断
  • 売却条件の調整
  • 取引上のリスク確認
  • 残代金決済までの進行管理

をサポートしました。

↓

⑤ 事務所移転サポート

本社ビル売却後の経営方針に合わせ、新しい事務所を選定。
移転先の検討から入居申込み、賃貸借契約の締結までをサポートしました。

↓

⑥ 内装・引越し・移転手続きサポート

新しい事務所では、

  • レイアウト検討
  • 内装業者の選定
  • 内装仕様の決定
  • 工事スケジュール管理
  • 引越し手続き
  • 法人移転手続き
  • 旧事務所からの撤収
  • 新事務所のお披露目

まで一連の流れをサポートしました。
本社ビルの売却だけで終わらせず、売却後に社員の皆様が速やかに通常業務へ戻れるところまでを一つのプロジェクトとして進めました。





5)コンサルティング後の感想

ご相談者様から、次のようなお言葉をいただきました。

「会社の経営改革を進める中で、本社ビルを売却して次の投資へ資金を振り向ける方針でしたが、売却もテナントへの移転も初めての経験でした。最初のヒアリングから、帳簿価格と売却価格の関係、決算期を踏まえた売却時期まで、会社の経営に合わせて進めていただきました。特に驚いたのは、この機会に隣地の買収まで行ったことです。結果として不動産の価値が高まり、当初の予想を上回る価格で売却することができました。価格交渉から取引上のリスク回避、移転先の選定、契約、引越し、残代金決済まで、流れるように導いていただいたという印象です。おかげで社員約30人も速やかに通常業務へ戻ることができました。以前は複数階に分かれていたオフィスも、現在は全社員がワンフロアで働くことができ、社員同士の交流も増えました。
」(法人代表者様より)

私たちの感想

私たちは、この事例の重要なポイントは、本社ビルを「売却する不動産」としてだけ捉えなかったことにあると考えています。

築年数や道路条件だけを見れば、土地の利用には制約があるように見えます。しかし、不動産は隣接地との関係や道路との接し方、将来の建築計画によって、その価値が変わることがあります。

今回も、隣地の一部を取得することで、土地の持つ潜在的な利用可能性を高めることができました。

その結果、売主である法人にとっては本社ビルをより良い条件で売却できる可能性が生まれ、買主となる開発事業者にとっても、将来の開発計画を検討しやすい土地となりました。

また、本社売却と事務所移転を別々の問題として扱わず、「会社の経営改革」という一つの目的の中で整理したことも重要でした。

私たちは、不動産の売買だけをお手伝いするのではなく、会社がこれまで築いてきたものを大切にしながら、次の時代へ進むための選択肢を一緒に考えることが、不動産コンサルティングの役割だと考えています。

長年使い続けてきた本社ビルを手放すことは、企業にとって決して小さな決断ではありません。

だからこそ、目先の売却価格だけではなく、**経営・不動産・建築・移転・将来の資産形成までを一つの流れとして捉えること**が重要です。

今回のプロジェクトでは、本社ビルの売却を単なる「資産処分」で終わらせず、隣地取得による土地価値の向上と新たな事業環境への移行につなげることができました。

私たちは、長年会社を支えてきた不動産を、次の経営を支える資産へとつなぎ直すこと。それもまた、不動産コンサルティングの大切な役割だと考えています。

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